カテゴリ:不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2024/07/22 11:29
財産をもらった時の税金
個人から財産を受け取ると、贈与税が適用されます。
贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」があります。
暦年課税
1年間に贈与を受けた財産の合計額を基に贈与税額を計算するものです。
〈計算方法〉
1年間(1月1日~12月31日)に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から基礎控除額110万円を差し引いた残額(基礎控除後の課税価格)について、次の「1贈与により一般贈与財産又は特例贈与財産のいずれかのみを取得した場合」又は「2贈与により一般贈与財産と特例贈与財産の両方を取得した場合」の計算方法により以下の贈与税の速算表を基に贈与税額を計算します。
贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の受贈者が、父母や祖父母などの直系尊属から贈与により財産を取得した場合のその財産に係る贈与税額の計算に当たっては、以下の贈与税の速算表【特例贈与財産用】により計算します。この贈与税の速算表【特例贈与財産用】により贈与税額を計算する財産を「特例贈与財産」といいます。また、その財産に適用される税率を「特例税率」といいます。
「特例贈与財産」以外の贈与財産については、以下の贈与税の速算表【一般贈与財産用】により贈与税額を計算します。この贈与税の速算表【一般贈与財産用】により贈与税額を計算する財産を「一般贈与財産」といいます。また、その財産に適用される税率を「一般税率」といいます。
贈与税の速算表【一般贈与財産用】
基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 300万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 3,000万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一般税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | − | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
贈与税の速算表【特例贈与財産用】
基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 4,500万円以下 | 4,500万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特例税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | − | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
1 贈与により一般贈与財産又は特例贈与財産のいずれかのみを取得した場合
[基礎控除後の課税価格] × 税率 − 控除額 = 税額
配偶者控除の特例
婚姻期間が20年以上の夫婦が居住用不動産またはその取得のための金銭を贈与した場合、基礎控除110万円に加えて最大2,000万円まで控除することができる制度です。特例を受けるためには、贈与を受けた不動産に実際に住んでいることや、その後も住み続ける見込みであることなどの条件があります。
婚姻期間20年以上の夫婦の間で居住用不動産等の贈与があった場合には、一定の要件に当てはまれば、贈与税の申告をすることにより基礎控除額110万円のほかに最高2,000万円までの配偶者控除が受けられます。
相続時精算課税
贈与者が生前に特定の受贈者に対して贈与した財産について、一定の条件下で贈与税を非課税とするものです。しかし、贈与者が亡くなった際には、その贈与財産も相続財産に加えて相続税が課税されます。この制度は、贈与時には税負担を軽減しつつ、最終的には相続税として精算することを目的としています。
相続時精算課税は次の要件に該当する場合に贈与者が異なるごとに選択することができます。
なお、一度この相続時精算課税を選択すると、その後、同じ贈与者からの贈与について「暦年課税」へ変更することはできません。
〈対象者等〉
- 1 贈与者は贈与をした年の1月1日において60歳以上の方(父母や祖父母など)
- 2 受贈者は贈与を受けた年の1月1日において18歳以上で、かつ、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人又は孫
〈計算方法〉
「相続時精算課税」を選択した贈与者ごとに、1年間(1月1日~12月31日)に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から基礎控除額110万円(※)と特別控除額2,500万円(前年以前にこの特別控除を適用した金額がある場合は、その金額を控除した残額)を控除した残額に20%の税率を掛けて贈与税額を計算します。
※同じ年に2人以上の相続時精算課税を選択した贈与者から贈与を受けた場合は、110万円をその贈与者ごとの課税価格であん分して計算します。
住宅を取得する際の贈与税の特例
直系尊属からの住宅取得等資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たすと贈与税が非課税となります。非課税限度額は省エネ等住宅の場合は1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までとされています。。
父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等のための資金の贈与を受けた場合で、一定の要件を満たすときには、1住宅取得等資金の非課税と2相続時精算課税選択の特例の適用を受けることができます。
なお、1及び2は重複して適用を受けることができます。
住宅取得等資金の非課税
令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属から住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)のための金銭の贈与を受けた場合において、一定の要件を満たすときは、贈与を受けた方ごとに500万円(省エネ等住宅の場合は1,000万円。以下「非課税限度額」といいます。)まで贈与税が非課税となります。
注1:令和5年以前の贈与について住宅取得等資金の非課税の適用を受けた方は、原則としてこの非課税の適用を受けることはできません。
注2:この特例と併せて「住宅借入金等特別控除」を適用した場合には、住宅の取得等の対価の額から、この贈与の特例の適用を受けた金額を控除した金額に基づき控除額を計算する必要があります。
注3:省エネ等住宅とは、一定の省エネ性能、耐震性能又はバリアフリー性能を有する住宅であることについて、住宅性能証明書などにより証明された住宅用の家屋をいいます。
〈非課税限度額〉
受贈者ごとの非課税限度額は、新築等をする住宅用の家屋の種類に応じた金額となります。また、原則として、既にこの特例の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となります。
〈非課税適用者の主な要件〉
イ 受贈者は贈与を受けた年の1月1日において18歳以上で、その年の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)であること
ロ 受贈者は贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること
ハ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その金銭の全部を〈特例の対象となる贈与の要件〉を満たす住宅(その敷地の用に供される土地等を含みます。)の新築若しくは取得の対価又は増改築等の費用に充てること
ニ 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅に居住しているか、又は同日以後遅滞なく居住することが確実であると見込まれること
〈特例の対象となる贈与の要件〉
イ 住宅の新築の対価に充てるために受ける金銭の贈与
ロ 建売住宅又は昭和57年1月1日以後に建築された中古住宅若しくは地震に対する安全性に係る一定の基準に適合する中古住宅の取得の対価に充てるために受ける金銭の贈与
ハ 居住の用に供している住宅の増改築等(一定の修繕又は模様替に該当するものに限ります。)の費用(100万円以上であるものに限ります。)に充てるために受ける金銭の贈与
注1:イ~ハの住宅は日本国内にあり、かつ、床面積(増改築等の場合は増改築等後の床面積)が、40㎡以上240㎡以下であることが必要となります。
注2:イの金銭には住宅の新築とともに取得するその敷地の用に供される土地等又は住宅の新築に先行して取得するその敷地の用に供されることとなる土地等の取得の対価に充てるために受ける金銭を含みます。
注3:ロ及びハの金銭にはこれらの住宅の取得又は増改築等とともに取得するその敷地の用に供される土地等の取得の対価に充てるための金銭を含みます。
注4:ロ以外の中古住宅を取得した場合であっても、その中古住宅に耐震改修を行い、地震に対する安全性に係る一定の基準に適合するなど一定の要件を満たすときは、住宅取得等資金の非課税の適用を受けることができます。この場合、耐震改修を行うことについての申請などの手続(中古住宅の取得前に手続を行う必要があります。)や耐震基準に適合することについての証明が必要となります。
〈手続〉
贈与税の申告期間内に、贈与税の申告書に「住宅取得等資金の非課税」の適用を受ける旨を記載するとともに、受贈者の戸籍の謄本、登記事項証明書などの一定の書類を贈与税の申告書に添付して所轄税務署へ提出する必要があります。
注1:省エネ等住宅に該当する場合には、上記に加え、住宅性能証明書などの証明書が必要となります。
注2:申告書に不動産番号等を記入することなどにより、登記事項証明書の添付を省略することができます。
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