カテゴリ:不動産お役立ち情報 / 投稿日付:2024/08/23 09:21
所有権移転登記とは?
所有権移転登記とは、土地や建物の所有者が変更された時に、その変更を法的に公示する手続きのことです。
法務局への申請後、所有権移転登記が完了すれば、登記事項証明書(登記簿謄本)の権利部甲区に新しい所有者の名前が記入されます。以下は土地の登記簿謄本の一例です。
所有権移転登記には法的義務がなく、申請に期限も設定されていません。このため、登記を行わずに放置するケースも珍しくありません。
しかし、所有権移転登記が行われていなければ、二重売買などの不動産取引トラブルが生じた時に所有権を主張することはできません。たとえ不動産売買契約書と領収書を持っていても、第三者が先に登記を完了させた場合、その第三者が法的な所有者とみなされます。
このような状況を避けるためにも、購入後は迅速に登記手続きを行ってください。
所有権移転登記が必要なケース
不動産の所有権移転登記は、不動産の「売却・購入」「贈与」「財産分与」「相続」などの際に必要となります。特に、2024年4月1日からは相続に関して所有権移転登記が義務化されています。
(1)土地や建物を売却または購入する場合
売主は買主に対して所有権移転登記を行う義務があります。
通常、売買代金の決済日には、売主と買主が法務局に赴き、共同で申請手続きを実施します。
(2)不動産の所有者が亡くなり、相続人になった場合
遺言書の確認と遺産分割協議に基づき、相続した不動産の所有権移転登記を行う必要があります。
(3)不動産を生前贈与で受け取る場合
実質的に贈与を受けた場合でも、名義変更によって贈与税がかかり、その後は固定資産税を自己負担しなければならないため、所有権移転登記がしばしば怠られることがあります。
通常、贈与者と受贈者は申請手続きを共同で行います。
(4)夫婦が離婚し、財産分与が行われる場合
不動産を財産として所有している場合、土地や建物の名義を夫から妻へ変更したり、共有名義を解除するためには、所有権移転登記を行う必要があります。
通常、この場合は二人で共同して手続きを行うことになります。
2024年4月より、相続登記が義務化されます。
2024年4月1日より、所有者不明の土地を防止するために、相続で得た不動産の所有権移転登記である相続登記の義務化が施行されます。
以前は相続した不動産の登記義務がありませんでしたが、現在は相続により不動産を取得した日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
相続登記を怠ると、罰則が科される可能性があるのです。
それでも、遺産分割協議が長引き、相続登記がすぐには行えない場合もあります。そのような状況に対応するため、2024年4月1日から「相続人申告登記」という新制度が施行されます。
相続人申告登記制度を使用し、相続人の氏名や住所を申告することで、一時的に義務を果たしたと認められます。
ただし、現時点で認められているのは登記義務期間の延長のみです。所有者の権利を第三者に公示するためには、相続登記を行う必要があります。
相続が正式に完了した後は、3年以内に相続登記を正式に完了させるようにしてください。
相続登記を怠った場合、過料が科されます。
2024年4月1日から、正当な理由がなければ相続登記を怠った場合、10万円以下の過料が課される可能性があることに注意してください。
過料(かりょう)は、一般的にはあまり耳にしない言葉ですが、金銭による罰則として捉えると理解が深まるでしょう。読みが同じ「科料」は金銭の支払いに加えて刑事罰を伴うものですが、過料は金銭の罰だけに限定されます。
それにしても、一般的に10万円の罰金が及ぼす影響は決して軽視できないため、それが十分な抑止力となると思われます。
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