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賃貸vs持ち家購入、徹底比較!
カテゴリ:不動産お役立ち情報  / 投稿日付:2024/09/26 10:00

賃貸vs持ち家購入、徹底比較!どっちがお得?

家を賃貸にするか、持ち家にするかは重要な選択です。家を購入することの意義があるのか、それとも単なる幻想なのかは議論の余地があります。賃貸と持ち家、どちらが優れているかは多角的な比較が必要です。メリットとデメリットは個人によって異なりますので、自分の生活スタイルに合った方を慎重に選ぶことが大切です。

賃貸、持ち家の何を比較する?

賃貸と持ち家を比較する際、どちらが優れているかを判断する基準は多岐にわたります。考慮すべき基準としては、生涯コスト、月々のランニングコスト、保険や税金の差、リスクの想定、そして自分のライフスタイルに合った住まいの計画などが挙げられます。

お金

金銭的な比較をする際には、「総額」「初期費用」「ランニング費用」という3つの視点が非常に重要です。これらのいずれか一つだけで優劣を決めることはできません。また、「資産価値」という観点からも比較を検討することが重要です。

スペック

住宅性能に基づく比較を行います。各居室の設備、建物の構造、気密性を含む諸要素で、賃貸と持ち家の差異を検討します。

住み心地

住宅の快適さをスペック以外で比較する際、セキュリティやサービスの面はもちろん、住環境の違いも重要な比較ポイントです。

柔軟性

住まいの選択は、ライフスタイルや住環境への好みが変化した際にどれほど柔軟に対応できるかという可変性を比較するものです。無理や我慢が少なければ、その住まいはより高い評価を受けることになります。


賃貸のメリット

お金に関する賃貸のメリットは初期費用が安く済む点です。ひと昔前の「敷金礼金各2ヵ月分」のような物件は今では珍しくなり、初期費用はかなり抑えられるようになっています。初期費用が安いということはお金を貯める努力が少なくて済むということです。今稼いだお金の使い道がはっきりとあるなら、賃貸のほうが合っているでしょう。

柔軟性も賃貸が誇るメリットのひとつです。家族が増えて家が狭くなった、あるいは子どもが独立して無駄なスペースを持て余すようになったというようなときに、簡単に次の住まいへと移ることができ、無駄なストレス、お金が発生することを防ぎやすいです。また、築浅へのこだわりがあるなら住み替えによって常に築浅物件へ住み続けることもできます(持ち家では現実的ではないでしょう)。

自分自身のライフスタイルの変化に対応しやすい点もあります。結婚したばかりのときと、子どもが2人、3人といるときでは理想の住まいは変わります。将来子どもが独立して夫婦ふたりに戻った時は、また別の希望を住まいに持っているかもしれません。その時々のスタイルにあった家を選ぶなら、賃貸のほうがやはり手軽です。

賃貸派の意見

  • 賃貸物件では、常に最新の設備を利用できます。
  • 新築を購入しても、10年が経過すれば設備は古くなります。
  • 近隣に問題を起こす人がいても、引っ越しをすれば解決します。
  • 固定資産税の支払い義務もありません。


賃貸のデメリット

賃貸の大きなデメリットは、いくら家賃を支払っても、その住宅が自分の資産にならないことです。持ち家であれば、売却することで住居費を回収する可能性がありますが、賃貸ではそのチャンスはありません。

また、住宅性能に関しては、賃貸物件と分譲物件を比較すると、分譲物件の方が高品質な建築が多いです。災害対策、気密性、断熱性の面で賃貸は劣る傾向にあります。

資産にならないことは悪?

資産を所有すると、固定資産税などの税金を支払う必要があります。また、資産を適切な状態で維持するためにはメンテナンス費用も発生します。相続が発生した場合、資産を巡るトラブルが起こる可能性もあります。

そのため、資産を所有することは、単に持つだけではなく、どのように管理するかが重要です。適切に管理や保全ができない資産を持つよりも、資産を持たずに賃貸住宅で生活することが必ずしも悪いとは限りません。

柔軟性を求めるにはコストが必要

賃貸の利点として、気に入らなければ簡単に引っ越しができることが挙げられます。持ち家からの引っ越しより手続きや心理的な面で容易かもしれませんが、それにはコストがかかります。賃貸は持ち家に比べて初期費用が少ないですが、柔軟性を求めて頻繁に引っ越しをすると、最終的には家を購入する際の初期費用と同等の金額を支払うことになるかもしれません。

  • 持ち家のメリット

家は高価ですが、生活には不可欠です。住居費の総額を考えると、賃貸よりも購入した方がコストが抑えられることが多いです(詳細は後述します)。ローンを完済すれば、その後の維持費は大幅に削減できるため、老後の経済的な利点となります。

住宅購入は経済活性化に寄与するため、国の経済政策としても積極的に支援されています。住宅ローン控除、すまい給付金、税金の軽減など、多様な支援策が用意されており、通常よりも大幅にコストを抑えて家を購入することが可能です。これらの制度を上手に活用することが、賢明な住宅購入の方法と言えるでしょう。

スペックや快適さの点で、持ち家は多くの利点があります。特に集合住宅(マンション)では、セキュリティや管理人の存在による住み心地の向上が期待できます。また、24時間いつでもゴミを捨てられることも、分譲マンションを選ぶ一因となっています。

持ち家派の意見

  • 夫に万が一のことがあったら、住宅ローンの支払いが団体信用生命保険でカバーされるので、安心して暮らせる
  • 老後、収入が無くなっても、住むところには困らない
  • 同じ金額をはらうと、賃貸よりも広くて設備のグレードが高い家に住める
  • 家が資産になる

持ち家のデメリット

持ち家には賃貸と比べてリスクが高まるというデメリットがあります。住宅ローンを組む場合、そのリスクを負う必要があり、もし住宅に欠陥があった場合には、それを受け入れるか損害賠償を求めるかの覚悟が必要です。日本は災害が多いため、自宅が被害を受ける可能性は決して無視できません。

未来がどうなるか予測できないという点で、環境リスクも同じです。

また、隣人とのトラブルや近隣に大型施設が建設され騒音が問題になるなど、家を所有することのデメリットは簡単には解決できない問題を含んでいます。


 持ち家のよくある噂を検証

持ち家にも柔軟性はある?

持ち家が移住の自由度に欠けるとされる一方で、住み心地を自分の好みに合わせてカスタマイズできる点では、持ち家には利点があります。設備のアップグレードやレイアウトの変更、一軒家であれば外壁の塗り替えや庭への物置設置も自由です。さらに、使わなくなった家を貸し出して賃貸収入を得ることも可能です。したがって、持ち家が柔軟性に欠けるとは一概には言えません。

スペック重視派には分譲賃貸という選択肢も

住宅性能を比較した場合、分譲住宅が優れている点は一般的に認められています。しかし、その利点を享受するために必ず購入する必要はありません。分譲マンションの一室が賃貸として提供されることはよくありますし、注文住宅で建てられた高級な一戸建てが賃貸市場に出ることもあります。このように、住み心地に関しては、購入者と同等のメリットを享受することが可能です。

生涯コストで比較

持ち家で50年間の居住費用

頭金がなくても、毎月12万円(1.25%の金利)の住宅ローンを35年間返済することで、4,080万円の住宅を購入できます。ただし、マンションか一戸建てかによって生涯コストは異なります。マンションは管理費や駐車場代が加わるため、総費用が高くなる傾向があります。

コストマンション一戸建て
物件価格4,080万円4,080万円
ローン利息960万円960万円
住宅ローン減税-400万円-400万円
購入時諸費用250万円250万円
管理費600万円0万円
修繕積立金/修繕費用900万円600万円
駐車場代600万円0万円
室内リフォーム費用200万円200万円
固定資産税450万円600万円
合計7,640万円6,290万円

※【マンション】管理費:1万円/月、修繕積立金:1.5万円/月、駐車場代:1万円/月
 【一戸建て】修繕費用:1万円/月として試算

コストとは異なりますが、住宅ローン減税の効果を年間40万円×10年で400万円と見積もった場合、所得税や住民税から直接400万円が控除されるので、これを生涯コストから引いて計算します。

税制上の充実した支援は購入のメリットであり、お得感を提供します。また、このシミュレーションには含まれていませんが、「住まい給付金」制度も存在し、最大50万円の支援を受けることができます。住まい給付金の支給額は所得や居住地域によって異なるため、個々の条件に基づいて計算する必要があります。

賃貸で50年間の居住費用

賃貸では、家賃12万円が支払い続ける限り継続的に発生します。このシミュレーションは同じ家に住み続け、2年ごとに更新料を支払うことを前提としていますが、引っ越しを考える場合は、引っ越し費用や都度必要となる敷金・礼金も考慮に入れる必要があります。ただし、修繕費やリフォーム費用、固定資産税などの税金は大家が負担するため、借り手の追加的な費用負担は発生しません。

コスト賃貸マンション賃貸一戸建て
家賃7,200万円7,200万円
更新料300万円300万円
管理費600万円0万円
駐車場代600万円0万円
合計8,700万円7,500万円

1年ごとの推移で比較してみる

具体的に毎年必要な費用と、それが積み重なった生涯コストがどのように増加していくかを見てみましょう。持ち家と賃貸のどちらが金銭的にお得かを考える上で、これは有益なヒントになります。

マンションの場合

持ち家を購入する場合、住宅ローンの返済が完了するまでの年間負担は重いものですが、ローンを完済すれば、その後の年間コストは大きく削減されます。今回のマンション購入の例では、42年目に賃貸の生涯コストが持ち家のそれを超えることが明らかになります。

一戸建の場合

一戸建てもマンションと同じく、ローンを完済すれば年間のコストは大きく減少します。今回の一戸建ての例では、38年目に賃貸の生涯コストが持ち家を超えることが明らかになります。


住み心地や条件で比較してみる

上記のシミュレーションにおいては、賃貸物件の月額家賃を12万円、購入物件の価格を4,080万円として、比較条件を統一しました。

この条件で、どのような住宅が利用可能かを考えてみましょう。例えば、東京で月額家賃12万円の場合、都心部では1LDKから2DK程度の広さが見込めますが、家族での居住にはやや狭く感じるかもしれません。ファミリータイプの住宅を希望する場合は、市外や隣県も検討する必要があります。

購入予算が4,080万円であれば、新築マンションの価格は近年上昇傾向にあり、首都圏の平均平米単価は約90万円とされています。この予算では、約45平米の新築マンションが限界かもしれません。70平米以上のマンションを求める場合は、中古住宅を検討することになるでしょう。築16~20年の70平米を超える物件は、およそ4,100万円前後で取引されていることが多いです。首都圏では、この価格帯の物件が適している可能性があります。分譲マンションの設備は高品質であるため、この年代の物件でも賃貸住宅と比較して見劣りすることは少ないでしょう。

資産価値が異なる

重要なのは、生涯コストだけでなく、最終的に残る資産価値も異なるということです。資産価値は持ち家にのみ存在します。不動産の価値は土地と建物に分けて考えられますが、建物は時間とともに劣化し価値が下がります。一戸建ては25年から30年、マンションは45年から50年で建物の価値はほぼゼロになります。ただし、これは税制上の評価であり、需要があれば価格はつくものです。

老後はどちらが安心?

老後の安心感を考慮する際、持ち家と賃貸の選択は重要な判断基準になります。この点で、持ち家は賃貸に比べて圧倒的な利点があります。その理由は以下の通りです。

固定費が抑えられる

住宅ローンを完済すれば、毎月の住宅費用は持ち家の方が低く抑えることができます。年金を主な収入源とする老後には、固定費を減らすことが家計管理において大きな利点となります。

資産として利用できる

不動産の資産価値が見込める場合、その活用方法を考えることができます。例えば、リバースモーゲージは不動産を担保にしてお金を借り、所有者が亡くなった後に不動産を売却して借入金を返済する方法です。しかし、リバースモーゲージは利用できる住宅が限られており、長寿を迎えた場合には生存中でも全額の返済を求められ、結果として家を失うリスクがある点に注意が必要です。

賃貸には確かにメリットが存在します。収入が減少した時や配偶者が亡くなった時など、状況に応じて住居を変更する柔軟性は賃貸の大きな利点です。しかし、独居の高齢者にとっては家を借りることが困難な問題があり、この点が重要な鍵となるでしょう。

あなたに向いてるのはどっち?

最後に向き不向きで、賃貸と持ち家のどっちを選んだほうが良いかを考えてみましょう。衝動で行動しがちな人、その時々のパッションを重視する人なら賃貸のほうが行動に移しやすいので、向いていると言えます。ただし持ち家だからと言って不自由な訳ではありません。持ち家の資産メリットを有効活用すれば、より自由な生活が手に入ることも考えられます。ここで大切なことは計画性です。家を買うこと、資産を有効活用するうえでは、計画的な人ほど持ち家の適性があると考えられます。

ライフスタイルによる色分けは可能でしょうか。たとえば独身生活をずっと続ける人と、子どもがたくさんいる家族で向き不向きを考えてみましょう。この場合は、供給数に注目してみるのもひとつの方法です。一般的に賃貸物件は単身者向けのものが多くあります。住宅街のアパートはもちろん、都心でも不動産投資用のワンルームタイプの物件が賃貸利用者のために多数供給されています。反対に持ち家のメインターゲットはファミリーです。マンション・一軒家と物件の種類も選べますので、条件にはまるものは持ち家の方が見つけやすいかもしれません。

会社員であれば会社から家賃補助があるなかで家を買うことはもったいないと感じる人もいるかもしれません。また転勤がある会社ならそうした点も購入を思いとどまる要因となりそうです。今の住宅に不満がないのであれば、焦って家を買う必要はないでしょう。その場合でも老後のことを考えて一定の資金は用意しておいたほうが安心です。年齢が高くなると住宅ローンの返済期間が短くなり、毎月の返済費用が高くなることは頭に入れておきましょう。


まとめ

  • 40年以上住む予定があれば、家を購入する方が生涯でのコストを節約できる可能性が高いです。
  • 持ち家は資産となります。
  • 夫に何かあった場合でも、保障される住宅ローンは家族に安心を提供します。
  • 経済的に余裕があれば、賃貸住宅に住み続けることも選択肢です。
  • 賃貸の場合、近隣とのトラブルが生じても容易に引っ越しが可能です。


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